グループウェアによるリモートワークのメリットとデメリット

都内のIT関連会社で人事をしています。採用や研修の業務がメインではありますが、人数が少ないため一部労務にも携わっています。

ITツールを多く扱っているので、もともとリモートワークに対しては寛容な会社でした。営業職の社員は、平時から外出スケジュールに合わせ、自宅やカフェでのリモートワークを行なっています。

今回、コロナウィルスの感染拡大の影響で、営業社員だけでなく全社的にリモートワークを導入することになりました。導入開始の大きなきっかけは、近隣の施設で感染者が出たことでした。

会社のすぐ近くまで感染のリスクが迫っていることを重く受け止め、社内では特に反対意見もなく、早々にリモートワークの導入が決定しました。

しかしながら、業務内容との兼ね合いもあり、部署によって実際の実施率は大きく異なっているのが現状です。

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グループウェアによるリモートワークのメリット

私は現在、会社のグループウェアにアクセスできる社用携帯と、ノートPCを活用してリモートワークを行なっています。

毎朝部署のグループメッセージで、本日のタスクをメンバーに共有してから業務を開始しています。就業時間内はメッセージのやりとりだけでなく、必ず一度はweb会議で顔を合わせ、業務分担の確認や進捗報告を実施しています。

まだ数日程度の試みではありますが、以下気づいた点をまとめてみたいと思います。

▼良かったこと

  • 通勤のストレスが軽減されたこと
  • 社内庶務に時間を取られず、業務に集中できるようになったこと
  • 宅配便の受け取りなど、家のことに対応できるようになったこと

会社への通勤に、特に都内へ行かれる方は、毎日往復2時間以上を費やしている方が多いのではないでしょうか。

満員電車や遅延、天候の良し悪しに振り回されることがなくなるという点は、一番のメリットだと思いました。

また、代表電話対応や郵便物の仕分け、社内の清掃など、女性社員に押し付けられがちな庶務をする必要がないことも、私にとっては大きなプラスポイントとなりました。

グループウェアによるリモートワークのデメリット

グループウェアを活用したリモートワークには良い面ばかりではありませんでした。

▼悪かったこと

  • 普段と異なるツールを活用することで、業務効率が落ちたこと
  • コミュニケーションの行き違いや伝える手間が増えたこと
  • 就業時間とそれ以外の時間の境目が薄くなってしまったこと

私の場合、リモートワークで使用しているノートPCは、サブ機として支給されたもので、社内では別のPCを使っています。

周辺機器の有無や有償アプリの権限など、普段の環境とは異なる点も多く、同じ業務クオリティを保つことが難しい場面が多くありました。

部内のコミュニケーションは主にグループメッセージで行なっていますが、普段よりも細かなやりとりが多くなり、少し目を離しただけであっという間にメッセージが流れてしまいます。

情報の見落としによる再確認のほか、複雑な内容の場合は、作業画面のスクリーンショットを撮って目印をつけて共有するなど、社内にいれば数十秒で済むことに倍以上の時間をかけなければならず、強いストレスを感じました。

就業時間については、社員の勤怠管理が難しく、プライベートとのメリハリがつきにくくなってしまったと感じています。就業時間外にグループメッセージが動いていることもあり、いつ何時でも対応可能になってしまったことは、些か働き方改革を逆行しているような気さえします。

また、個人的な業務の話になりますが、管理部門では未だに公的手続きなど紙での仕事が多く存在しています。

リモートワーク開始にあたり、とかくネットワークやシステム管理の側面が注目されがちですが、書類の持ち出しなども見落としがないよう注意が必要です。

全体を通じて、まだ慣れていないせいか、デメリットのほうに気持ちが引きずられているのが正直な気持ちです。

しかしながら、ITリテラシーの向上や今後のライフステージの変化に備え、コロナウィルス終息後も定期的にリモートワークを実施したいと考えています。

リモートワークの導入で注意すること

リモートワーク中はサボっていると思われないためにも、レスは早めに、ホウレンソウはこれまで以上に意識して行なうことが大切です。

また、在宅の場合は通勤負担がなくなる反面、運動不足になりがちです。適度な運動を心掛け、生活のリズムを崩さないように注意してください。

リモートワーク導入前に、勤怠やセキュリティの運用など全社員に共通するルールを定めておくことをおすすめします。

機材の支給が難しい場合は、社員個人の負担が大きくならないよう経費で賄える範囲などもあわせて告知するとよいかと思います。

部署単位では、リモートで各人が何の業務を行なうのか、またそのホウレンソウの方法について共有しておく必要があります。始めのうちは、段階的にリモートワークを取り入れ、リモートでできなかったことを出社した際にフォローできるようなスケジュールで実施することが望ましいかと思います。

また、リモートワークのメンバーが増えると、通常通り出社しているメンバーに電話対応など庶務の負担が集中してしまいます。負担が偏らないように、リモートワークをする人・しない人両者への配慮が重要です。

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