激務!病院の管理栄養士…疲労とストレスに対抗する食事とは

大学卒業後、管理栄養士として病院に勤務しました。患者様の栄養指導に、献立作成に、医療他職種とのチーム医療に。

新卒で入職し、慣れるまでは右も左も分からずに毎日が勉強、勉強の日々。しかし、ずっと憧れていた病院勤務に就くことができ、辛いことよりも吸収することの喜びをより強く感じ、溌剌と仕事にあたっていました。また、転勤のある職場でしたので、数年ごとに環境が変わります。

その変化に最初こそ悩んだり壁に直面したりしながらも、この乗り越えるという過程すら、楽しめていたように思います。

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昇進と結婚が重なり嬉しいはずが…

ようやく仕事にも余裕と落ち着きが出て、若い頃とはまた違った観点で仕事を楽しくこなしていた一昨年、私に大きな転機が続々と舞い込んできたのです。まずプライベートでは、かねてより遠距離交際していた今の主人と結婚が決まり、来る入籍に合わせて引っ越しをすることになりました。

仕事では、昇任試験に無事合格し、次の転勤と共に昇任が決定しました。そして、結果的に結婚、転勤、昇任、引っ越しが全て同じタイミングで行われたのです。全ての慣れないことが同時期にやって来ましたが、どれも喜ばしいことばかりです。

「まぁ、最初は大変かもしれないけれど、今までのように何とか超えていけるだろう」

と、今思えばかなり甘い覚悟だったと思います。

そして、新生活がスタート。しかし、今までの職場とは違って日々の業務が格段に忙しく、残業も毎日4時間は当然のようにあり、その上昇任して主任となり、会議や提出書類が増え、部下のマネジメントなど、慣れない業務が毎日降りかかってきて私を悩ませました。

そして帰宅すれば、食事の支度に追われる。休日は主人も協力はしてくれるものの、疲れ切った中で溜まった家事をこなし、そして泥のように眠る。甘い新婚生活、主任としてきびきび働く私…など、頭にきらきらと思い描いていた自分とはほど遠い姿がそこにはありました。

苦労が外見や感情にもにじみ出てきた

ある日鏡に映った私の顔は、げっそりとして不健康そのものでした。肌つやも悪く、何よりもすぐにイライラするようになったのです。また、午前中に栄養指導が多いのですが、その際に頭が働かず、言葉に詰まってしまうようなことも多々ありました。

このままでは全てがだめになってしまう。

危機感を抱いたその週末、私はゆっくり時間をとり、仕事の時と同じように自分自身に栄養指導をすることにしました。今工夫して変えられるものは食事しかありません。

疲労とストレスに対抗する栄養と食事

まず、問題点としては慣れない環境へのストレスに打ち勝つための食生活が調えられていないことがありました。

ストレス回復に有効な栄養素には、

  1. 肉や魚、卵などに含まれるたんぱく質
  2. 野菜や果物などに多いビタミンC
  3. 肉や豆、穀類に含まれるビタミンB1

などがあります。

しかし最近の食生活は、昼食にカップラーメンを食べたり、甘いお菓子で代用してしまったり、夕食も外食や店屋物で済ませてしまったり、バランスがとにかく悪すぎました。管理栄養士の食事とは思えません。

それからは、週末に上記①~③の栄養素を意識して、たんぱく質やビタミンB1が豊富な豚肉や、ビタミンCが多く含まれるパプリカやじゃが芋などを使用したおかずや野菜料理を大量に作り置きし、それを平日で食べるようにしました。

また、キウイフルーツにはビタミンCが多いので、昼か夕食にデザートとして食べるようにしました。

やり始めは、疲労とストレスからやる気が湧きませんでしたが、管理栄養士として、もし患者様がこのような食生活だったとしたらとても放っておけるものではありません。それに、私一人の問題だけではなく、夕食の不摂生は主人の健康にも関わってきます。「休日の私」を、「管理栄養士の私」の目が厳しく見られるよう、自分を律しながら習慣づけを行いました。

食事は週末に作り置き!忙しい朝を乗り切る

朝食を抜いていることがありました。これは、ほぼ毎日だったのです。少しでも睡眠時間を確保したいが故の策でした。しかし思い返せば、だからこそ栄養指導で頭が回らない、疲れやすい、さらにストレスを感じる、などの原因になっていました。

専門家として当然のことをできておらず、今思えば本当に恥ずかしい限りです。そこで、朝に調理せず簡単に食べられる食材をストックしておくようにしました。冷凍しておいたご飯とパックの納豆に、週末作り置きしておいたおかずをつまむようにし、それすらもできない時のためにバナナを常備するようにしました。これなら、寝坊してしまっても、簡単に食べられます。このバナナ1本でも、食べるのと食べないのとでは大違いです。

対策を始めてから午前中ぼーっとすることもほとんど無くなり、仕事に対するモチベーションも高まったように感じました。

肌つやも改善してきて、イライラすることは私の短気さもあり全くなくなったとは言えませんが、その質は変わったと思います。

主人の顔色も心なしか明るくなったように見えました。そして、うれしい副産物として、私も主人も以前より便通が良くなったのです!

やはり、好きなものだけを偏って食べるのではなく、その時の状態に応じて必要な栄養素を上手に摂取すること、それから食事の基本的なこと(バランスよく食べる、3食しっかり食べる、など)は本当に大事だということを、今回の食生活改善の中で改めて気付くことができました。

まだまだ現状はハードワークな状態が続いていますが、この食生活を味方に、これからも精いっぱい乗り越えていきたいと思っています。

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